歯周病の治療について
まず認識してください。歯周病は感染症であり、そして生活習慣病であることを。
何より大切なのは歯周病を予防することです。
残念ながら歯周病になってしまった場合は、あなたと私たち歯科医師・歯科衛生士が協力して治していくことになります。
まずは歯周病とその予防、治療についてご理解をお願いします。
一緒に歯周病から歯を守りましょう。
歯周病とは
歯周病治療の流れ
歯の周りの組織に病気が起きている状態です。
具体的には、歯が埋まっている骨(歯槽骨)、歯の根の表面の組織(歯根膜)、歯ぐき(歯肉)などの組織に炎症が起きている状態をいいます。お口の中の細菌による混合感染と考えられています。
歯は顎の骨の中にしっかりと埋まっていますが、骨から上の根の部分に歯ぐきがしっかりとくっつくことで体の中へ細菌や異物が入ってこないようにバリアを張っている状態なのです。
歯周病はこの体の中と外を分けるバリアが壊れてしまう病気です。
はがれた部分から血管内へ細菌が侵入し全身へ運ばれることでさまざまなトラブルを引き起こします。心臓疾患、糖尿病の悪化、肺炎やその他の呼吸器疾患、脳卒中、さらに低体重児早産などが知られるようになってきました。
なかでも糖尿病との関係は近年注目を集めています。
沈黙の病気

歯周病は年をとってからかかる病気だと思っている方はいまだに多いようです。
最近でこそ30代以降は80%以上の方が歯周病にかかっているということが少しずつ知られるようになってきました。
が、実は15歳~19歳の65%、20歳~29歳ではなんと75%に歯周病の症状が見られるのです。中には「若年性歯周炎」と呼ばれる急速に進行するタイプのものがあります。悪質なタイプのものはまさに早期の発見・治療が大切になります。
こんな症状がありませんか?
歯がグラグラするような状態はさすがに危ないと思われる方も多くなります。ただ次のような症状が出たら要注意と考えてください。
- 歯を磨くと血が出る
- 歯石がついている
- 冷たいものがしみだした
- 口臭がする
- 朝起きた時口の中がネバつく
- 疲れたり肩がこると歯が浮く
- 歯が伸びた、長くなったように感じる
- 歯がグラグラして咬みにくい
- 歯の間にものがつまりやすくなった
- 歯ぐきが腫れて押さえると膿が出てくる
歯周病についてのよくある質問

歯周病(歯槽膿漏)って何?

歯周病は歯垢中の細菌が歯周組織(歯の周りの歯ぐきや骨)に炎症を起こす病気です。炎症のために歯の根の周囲の骨が吸収され、進行すると最後には歯が抜け落ちます。 歯ぐきから出血したり、歯がグラグラしていれば、歯周病の疑いがあります。また歯周病は骨が溶けるだけでなく全身への悪影響がある怖い病気です。歯の根からはがれた歯ぐきのすき間から体の中へ細菌が侵入し血管を通して全身に運ばれます。極端なケースでは命にかかわることもあるのです。ご自分の健康のためにもしっかりと予防しましょう。

歯周病を予防するには?

歯周病の原因は細菌ですから、それをためない、増やさないことが基本です。そのためはまず、正しい口腔ケアを毎日実行することです。歯の表面を歯垢のない清潔な状態にしておくことが何より大切です。現在の考え方は日ごろのセルフケアと定期的な専門ケアを続けることが必須とされます。